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更年期障害と中医学~1.腎陰虚~ [中医学]

今日から何回かに渡って、「更年期障害と中医学」について書いていきたいと思います。

中医学では、7の倍数の時に女性の身体に変化が訪れると言われており、
女性は49歳前後で閉経を迎えると考えられています。
その頃に様々な自覚症状が出ることを「更年期障害」と言います。
更年期の症状には、西洋医学ではホルモン補充療法などがありますが、
中医学では証を診て、その人の体質に合った漢方薬を処方し治療します。

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それでは、今回は「腎陰虚」から見ていきたいと思います。

【症状】
●めまい
●耳鳴り
●ほてり(ホットフラッシュ)
●足腰がだるい
●目や皮膚、陰部の乾燥感
●五心煩熱(手のひら・足の裏などが熱い)
●盗汗(夜間、眠っている時に汗をかく)
●不眠
●焦燥感、イライラ、怒りっぽい

【治療法】
滋腎補陰・降火

【漢方薬】
・知柏地黄丸
・杞菊地黄丸
・天王補心丸
・滋陰降火湯など

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閉経前後には、腎が次第に衰えてきます。
そうすると、全身の陰の元である腎陰も不足するので、乾燥感が起こりやすくなったり、
心火を抑えることができなくなって、ほてりや不眠が現れたり、
精神面ではイライラしたり怒りやすくなったりします。

更年期症状で婦人科に行って「怒りっぽくイライラする」と症状を伝えると、
よく「加味逍遙散」が処方されることが多いですが、この漢方薬は肝の基本方剤です。
肝の症状が出ている場合は合う可能性がありますが、腎に対する作用は不足しているので、
腎虚の場合は、補腎の漢方薬を使用するか併用する方が良いでしょう。



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